IoT・AIを用いた未来の家プロジェクトから考察するおもてなし
コネクティッドで暮らしはどのように変わるのか株式会社NTTドコモに聞く
状態を把握できるスマートハウスを開発して、一人暮らしの高齢者が、健康で豊かに暮らせる社会を実現するのが目標だ。
自発的な生活の改善を目指す
実際に住む前と住んだ後で健康に対する意識変化や行動変容があるかどうかを評価することが目的。被験者には事前にIoT機器の説明だけを行い、通常通り生活してもらう。位置情報は床のセンサーで収集し、心拍などの生体情報はソファーやベッドから取得、ミラーの前に立てば体重が計測されるなどユーザーが生活する中で自然に情報が集まる工夫をしている。また、スマートミラーに健康情報や環境情報を一括で表示して、生活者が自然に自分の状態を客観視できる環境を作ることで自発的に生活を改善していけるような工夫や、
パーソナライズスキンケアシステムでは将来的には肌測定データと環境データをベースに、肌環境ストレスや外部環境に合わせたケアを提供するなど納得感のある情報と合わせてサービスを行う事が意識の改善には重要、住んでみた被験者からは、このような自然なデータの提示から健康を意識して運動するようになった、など健康面での意識変化が起きたとの報告がされている。大量に集めて溜まった生活データを医学博士や管理栄養士など専門家の知見を入れて解析し、AI(人工知能)を使ってヘルスケアアルゴリズムを作りたいと思っており、アドバイスやリコメンドをする事でより生活リズムを改善させたいと思っている。ここで構築したシステムは老人ホームや介護施設などにも使え、将来的には、人工知能(AI)を活用する事で「家」自体が、室内環境を健康的に自動調節したり、離
れて暮らす高齢者の独り暮らしをサポートする等、災害時の対応を行う事を目指す。近年は車に通信機能が搭載されているため、IoTアクセス制御エンジンは車でも使用可能になると思われる。移動ならではのサービスなども考えられ、車メーカーや自動車部品メーカー、他企業からの協力が得られれば是非、開発を進めたい分野だと考えている。

スマートフォンを利用してIoT家電操作や情報の可視化も可能。室内環境(温度、湿度、照度など)バイタルデータ(体重、血圧、睡眠時間など)を表示。一括した情報提示で生活に対する気付きを与えユーザーが自発的に生活を改善するように促す。
様々なデータを読み取って、リコメンドやアドバイスを行う機能は今後車にも搭載されて行く。監視されているように感じさせない計測の工夫と、車がおしつけるのではなく、ドライバーが自発的に心と体の健康や安全を意識して、運転の仕方や生活を改善するように心がけていける情報の伝え方を考えて行く必要がある。