IoT機器から考えるユーザーインターフェースとおもてなし

最新IoT機器体験を通して

シーンに合わせた機器の連動

IoT機器の特徴は機器を連動させる事だ。&AND HOSTELのスマートフォンではナイトモードを選択すれば照明が消え、部屋が施錠され、カーテンが閉まる、グーグルホームでは「OKグーグル、シアターモードにして」と話しかければ、照明が消えカーテンが閉まり、スクリーンとプロジェクターが起動する。操作端末こそ違うができる事は照明の色や明るさの調整、カーテンの開け閉め、エアコン、TV等の家電の操作と大きな違いはない。スイッチやリモコンという制約にとらわれずどこからでも操作できることと目的にあった連動で操作が最小限で済む。ユーザーが何の為にこの機器を使うのか、目的に合わせて機器を組み合わせることもおもてなしと言えるだろう。

&AND HOSTEL のスマートフォンアプリ画面

Daiwa connect
シアターモードを指示すれば映画の準備が整う

普及へのハードル

今回は施設での体験だった為、機器はあらかじめ連動をスムーズに使う事ができた。しかし、この設定を自宅で実現しようとするとハードルは高い。現在スマートスピーカーやスマートフォンと直接繋がる機器は少なく、多くの家電は間にスマートハブと呼ばれる機器を介する必要がある。それらの機器を設定しシーンに合わせて家電を連動をさせることは誰でもできるとは言い難い。IoT機器はまだ過渡期の状態であり、直接対応する機器や設備、アプリケーションの拡充が今後の普及の鍵になるだろう。誰でも自分の思い通りに機器の連動が設定できてこそIoTの真価が発揮されるだろう。

音声操作はどこからでも声のみで操作ができる。一方で細かい調整のような操作はしづらい、画面操作は手元にデバイスがなくてはならないが細かい操作まで直感的に行える良さがある。それぞれの操作方法の特徴を理解し目的に合わせた最適な手段を選択する必要がある。また、これまでバラバラに操作していたものを目的に合わせて連動させることは利便性を向上させる重要な視点だ。