雨の日が楽しみになる傘を
イイダ傘店の傘づくり
傘ならではのテキスタイルデザイン
傘のメインとなる傘布のテキスタイルデザインはどのように発想していくのか。第一に、テキスタイルのパターンは上下左右に連続したものであるので、身の回りで見つけた”並んでいるもの”から着想を得る。植物であったり、パン屋に並ぶ食パンであったり、綿棒であったり…。同時に、傘となった時の見栄えについてもアイデアを膨らませる。イカの群れがモチーフのパターンは、傘の形になることで周遊するイカのプールとなる面白さを持つ。さらにイカの動きを表現するために、ほぐし織りという技法で絵をぼかして見せるこだわりも光る。
傘布は裏地も見せる部分であるのも大きな特徴。特に、染ではなく織でパターンを作る際は糸を選ぶときから想像力を膨らませつつ、表地と裏地の見栄えの両立、光にかざした時の透け感などを、実際に織ってみてアイデアを詰めていく。試作してくれる工場を探すのも大事、とのこと。


表の糸、裏の糸が交差する織物は、両側の見栄えを試作しながら吟味。逆に思わぬ美しさを見せることも。

日頃から描きためているスケッチ。パターンも手描きで制作するため、温かみのあるテイストが特徴。